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喫煙所整備に関する世論動向

「タスケッター」ではX(旧Twitter)を代表とするSNSや掲示板、Webニュース等の膨大なデータから特定の調査キーワードを切り口に分析し、一般ユーザーの声を可視化する「SNS話題量調査」をサービスとして提供しています。

今回、そのサービスのサンプル調査として「喫煙所整備に関する世論動向」を調査・分析しました。

調査背景
大阪市は2025年の大阪万博に向けて路上喫煙禁止エリアを市内全域に広げていくことを決定。それに伴い喫煙所設置を進めていく意向ですが、それに対して多くの声がSNS上でも展開されています。

そこで喫煙所の整備に対して世の中の人々が実際にどう思っているのかをSNSの投稿を通じて調査・分析をおこなうことで、喫煙所設置の進め方に求められていること等を取り纏めてみました。

調査・分析

投稿量の推移:大阪の喫煙所設置に話題に高い関心

期間中の投稿量の推移は下図のようになりました。

期間中の総投稿数は1.9万件で、1日平均は67.4件でした。喫煙所設置の報道を受けて大きなピークを形成した日が2回あり、いずれも大阪の話題でした。特に5月30日は「大阪万博に向けた“喫煙所設置に税金”の是非」というABEMA TIMESの記事がYahoo!ニュースに転載されたことがきっかけで、期間中で最大のピークを形成しました。大阪の喫煙所設置の話題が高い関心を集めている様子が窺えます。

リポスト数TOP3:大阪の喫煙所計画に「1つの喫煙所に対して予算が高額」等の指摘が並ぶ

リポスト数(旧リツイート数)上位ランキングを3位まで見ると、下図の様な投稿でした。
(それぞれ、Xの投稿文面より一部抜粋)

リポスト数のTOP3には、いずれも大阪の喫煙所設置についての予算にかかる指摘であり、整備する喫煙所が高額の費用を要する閉鎖型(密閉型)を前提としていることに対して疑問視されていることが伺えました。

投稿内容別のポジネガ機械判定:設置賛成派も「120カ所では少なすぎる」等の声もありネガティブ比率高い

当調査にて収集した投稿データを機械判定したところ、下図のようにネガティブ23.8%、ポジティブ5.1%でした。

ネガティブの中には、設置自体には賛成でも内容に注文がついているケースが多々見受けられました。

喫煙所設置に対しては賛成であっても「120カ所は少なすぎ」「無駄にキレイでお金かかってる」といった批判の投稿は、機械判定ではネガティブと判定されます。そのため「設置」の賛否に関しては別途整理が必要となります。

そこで、多くの投稿があった5月30日のニュース「大阪万博に向けた喫煙所設置に税金の是非」について、投稿されたポジネガ機械分析に加えて、それらの意見に対しての賛同数がどの程度あるのかを分析してみました。

ポジネガ機械判定と投稿内容への賛同分析:圧倒的に税を活用した喫煙所整備に対するポジティブ投稿への賛同が多い

5月30日ピーク前後の投稿は多くが掲示板投稿で占められており、その中でも、投稿数の多かった掲示板サイト「Girls Channel」内のABEMA TIMES記事を参照したトピックを対象として、追加の分析を行ってみました。

この「Girls Channel」では、投稿に対して「+」と「-」のボタンを押すことで、読み手が反応を示すことができます。この反応の多い投稿上位100件に対して、「喫煙所設置」という論点においてポジティブかネガティブの論調を目視で判定しました。その結果は、下図の通りです。

ポジティブな意見には、たばこ税を喫煙所設置に使うことに対しての賛意や、喫煙所がないとポイ捨てされるといった意見が見られました。一方のネガティブな意見は、喫煙所設置に否定的な他、喫煙者に対する批判的な意見が見られましたが、特に対案等は見られませんでした。ニュートラルは喫煙所設置議論とは外れた内容の投稿です。喫煙所設置議論に関しては、掲示板投稿の書き手のコメント内容はポジネガが拮抗する結果となっていました。

さらに、個々の投稿についた「+」と「-」の数を得点化して、読み手の反応も反映したポジネガの比率を算出した結果が下図です。

喫煙所設置に対してポジティブな意見には、多くの「+」がつき、「賛成」のアクションを行ったユーザーがおり、一方でネガティブな意見に対しての「+」は多くなく、投稿内容によっては「-」が上回って、ネガティブの得点がマイナスとなるケースも見られました。コメントを行わない読み手の意見まで含めると、喫煙所設置に対する賛成の意見を持つ人は多いと言えそうです。

投稿内容のポジネガの数自体は概ね同数であるものの、その賛同数を踏まえるとたばこ税等を活用した喫煙所整備に対しては多くの賛同を得た政策と言えそうです。

1121日ピーク前後の投稿をピックアップ

投稿量の推移で最初にピークとなっていた11月21日前後の投稿内容には以下の様なものがありました。

大阪市の「路上全面禁煙化」「喫煙所120ヵ所設置」のニュースに対しての反応をポジティブとネガティブに分けてピックアップしました。ポジティブな方は「やっとか」といった待ちかねていた態度と予算が足りないならたばこ税から捻出すべきとの意見もありました。ネガティブな方は、「喫煙所120ヵ所」が少な過ぎるとの批判の声や、閉鎖型(密閉型)喫煙所整備に1ヵ所3000万円という予算に対して等、税金の無駄遣いという批判の声が見られました。

5月30日ピーク前後の投稿をピックアップ

投稿量の推移で最大のピークとなっていた5月30日前後の投稿内容には以下の様なものがありました。

ABEMA TIMES記事内容にもあるたばこ税に言及し、ポジティブ側には喫煙者に還元しても良いという声が多く見られました。一方のネガティブ側でも、喫煙所設置を明確に否定する投稿は僅かであり、喫煙者のマナー向上を期待する声がほとんどでした。

まとめ

大阪市の喫煙所整備にかかる世の中の関心は非常に高い
たばこ税等を活用して喫煙所を整備していく方向性には賛同

「喫煙所設置」推進のポイント

本調査結果から見て取れたことを踏まえ、大阪市の「喫煙所設置」政策についてより多くの賛同を得るには、以下の様な点がポイントとして挙げられそうです。

1.喫煙所1ヵ所あたりのコストを抑えること
閉鎖型(密閉型)喫煙所の1ヵ所あたりのコストの高さへの批判の声がリポスト上位を占めていたことや、設置賛成派の中にも、喫煙所は無駄にキレイでなくていいという意見が見られたことを踏まえると、喫煙所は1ヵ所あたりのコストを抑えて整備していくことで、より多くの賛同がえられそうです。

2.喫煙所設置数は120カ所以上とし、スピード感をもって進めて行くこと
喫煙所120カ所の報道に対して、「少な過ぎ」「足りるか」等の声が多く投稿されていることから、大阪市内での喫煙所整備数については、改めて妥当な整備数の検討等を行った上でその整備を進めて行くことが必要と思われます。また、その整備について待望の声も多かったことから、そのスピード感も求められているものと思われます。

3.喫煙マナー向上の取り組みも行うこと
ネガティブな投稿において喫煙マナー向上を求める声が多かったことを踏まえると、喫煙所整備を進めて行くのみならず、定められた場所での喫煙やポイ捨て防止を呼び掛ける啓発も行うことで、喫煙所整備への賛同も多く得られるのではないかと思われます。

調査概要

実施期間
2022年6月1日~2023年8月16日

調査方法
SNS分析ツール等を使用し、調査期間内の対象媒体の投稿データを収集・分析

対象媒体
X(旧Twitter)、掲示板、ブログ、ネットニュース、レビュー、コメント※、Reddit、TikTok、Pinterest

※当調査目的に沿わない内容の投稿を除外するための除外キーワードも設定

タスケッターについて

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