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防災グッズに関する世論調査

防災グッズに関する世論調査

「タスケッター」ではXを中心に膨大な投稿データから特定の調査キーワードを切り口に分析し、一般ユーザーの声を可視化する「SNS話題量調査」をサービスとして提供しています。

今回、そのサービスのサンプル調査として「防災グッズに関する世論動向」を調査・分析しました。

調査背景

令和6年1月1日に発生した能登半島地震を受け、今まで以上に災害時の備えについて意識づけられ、非常に多くの議論の声がSNS上で展開されています。「防災グッズ」に着目し、Xの投稿コメントを調査・分析しました。

調査・分析

投稿量の推移

12/28~1/28の期間中、防災グッズ関連の投稿量推移は下のようになりました。

総投稿数は20万件、1日平均は6,271件です。


1月1日~1月6日の1週間は平均より高く、1月2日が投稿量の最も高い日でした。

一方、1月13日には1件の投稿に注目が集まっていました。

「防災グッズ」リポスト数上位ランキング

調査対象期間の投稿をリポスト件数順に並べます。

1位~10位

期間中最もリポスト数が高かったのが1月13日の失敗しない防災グッズの選び方の投稿です。

TOP10は1月1日から3日に投稿された投稿が多くランクインしていました。

失敗しない防災グッズの選び方の投稿
「おすすめをまとめた投稿」が4個ランクイン

TOP10全体のうち4個は、それぞれの投稿者が準備した防災グッズを紹介する投稿です。

具体的には、防災グッズの選び方が1位、携帯用防災ボトルの作り方例が3位、おすすめセットの商品紹介が5位、常備している防災グッズをテキストで箇条書きにしたものが8位となっており、「防災グッズを準備したいが何から始めたらいいか分からない」人に向け、それぞれ別の切り口で解説した投稿がリポストを伸ばしたことが見て取れます。

失敗しない防災グッズの選び方の投稿

防災グッズ注目トピック「推し活×防災」

リポスト数2位、そして7位は刀剣乱舞の防災グッズに関する投稿でした。

7位は刀剣乱舞の製作元、ニトロプラスの代表による投稿です。このXの投稿後、2024年2月に再販され好評を博しました。

刀剣乱舞ONLINE始まりの防災セットとは?

刀剣乱舞は、実在の刀剣を男性に擬人化した刀剣男子を収集して、日本の歴史上の合戦上に出没する敵を討伐していく大人気育成シミュレーションゲームです。この防災グッズは刀剣乱舞と、防災グッズメーカーのLA・PITAのコラボ商品となっています。
https://special.movic.jp/shop/special/tohken_bousaiset/

 

他に調査したところ、刀剣乱舞以外でも「推し活×防災グッズ」といえる様な防災グッズの展開が確認できました。

例えば、アイドルマスターSideM、進撃の巨人、プロメア、コンテンツ以外だと羽生結弦選手のオフィシャルグッズなどです。推し活×防災グッズ購入によってはじめて防災対策を意識するようになったユーザーによる感謝、実際にグッズが心身を守る支えになったという趣旨の投稿が見られました。

「推し活×防災グッズ」といえる様な防災グッズの展開

次に、「推し活×防災グッズ」関連の話題が防災グッズ全体の投稿量にどれくらい含まれているかを調査するため、期間中の全投稿からランダムに300件を抽出してカテゴリ分けしたところ、関連投稿は全体の約1割にのぼることが分かりました。

期間中の全投稿からランダムに300件を抽出してカテゴリ分

ある程度のボリュームが見て取れたため、今度は、推し活×防災グッズのみに絞り、1年間の推移を確認しました。特定の条件に合致した件数のみを表しており、正確な「推し活×防災グッズ」の投稿量とは異なりますが、年間約3万件の話題数量を確認しました。昨年2月13日に刀剣乱舞防災と羽生選手2つの防災グッズそれぞれの販売告知投稿がリポストを集めたものの、以後投稿量は横ばいでした。しかし地震で「刀剣乱舞 防災グッズ」を使用したユーザーによる感謝の投稿、同じユーザーの再販要望の投稿がそれぞれ1万リポストを集めました。

同じユーザーの再販要望の投稿

投稿の中には刀剣乱舞以外の複数コンテンツの推し活×防災グッズの使用感想も含まれていました。さらにまだ防災グッズの展開されていない作品に対して「防災グッズコラボ要望」の投稿にもリポストが集まり、推し活×防災グッズは地震発生から4日間だけで年間投稿量の半数を超えました。

防災グッズを十分に備えることに心理的ハードルを感じる人は多いようです。

災害に対して「あまり備えていない」または「全く備えていない」と回答した人に理由を聞いたところ、面倒で後回しにしてしまっている人が33.6%と最多に。「備えの必要性を感じない」「最低限の備えでなんとかなる」と回答した人は 20%以上にのぼり、1月に大規模震災が発生したにも関わらず、備えの必要性を感じない方が一定存在する結果となりました。

参考:セゾン自動車火災保険株式会社2024年2月「防災に対する意識調査」
https://news-ins-saison.dga.jp/topics/down2.php?id=9002558&attach_id=1443

 

例えば準備が面倒、必要なものがわからなない、本当に使うか不確かなものにお金をかけることに抵抗を感じるのがその理由として考えられます。さらに、防災グッズは今すぐ必要とされるわけではないため、備えの必要性は認識していても、つい後回しになりがちです。しかし、推し活と絡めた防災グッズには他の防災グッズにはない「コレクション性」が加わります。「推し活×防災グッズ」によって対象ファンの防災グッズ準備への心理的ハードルが低くなり、後回しになっていた防災グッズの準備を後押しする効果が期待できます。

まとめ

調査の結果、下記3つの特徴が確認できました。

1月1日~1月13日に投稿量が増加
期間中の総投稿数は20万件、1日平均は6271件でした。地震発生から2週間までの期間はユーザー同士で地震対策の声かけが活発となり、2週間前後で話題が落ち着いたものと考えられます。

投稿者が準備した「おすすめグッズ」が拡散
リポストランキングでは、個人のおすすめグッズに関してまとめた投稿がTOP10で半数近くあり、多くランクインしました。それぞれ別のシーン・切り口での投稿者が準備した防災グッズの解説が、何から始めらたらいいか分からない人に適した内容であったためと思われます。

「推し活×防災グッズ」への注目
「おすすめグッズ」に続く特徴として見られたのが「推し活×防災グッズ」の盛り上がりです。
防災グッズを十分に備えることには、準備が面倒などの多くの心理的ハードルが存在しますが、防災グッズに「推し活」の要素を取り入れることでその心理的ハードルの軽減が見込まれ、備蓄率向上に寄与する効果が期待できます。

調査概要

実施期間
2023年12月28日~2024年1月28日

調査方法
SNS分析ツール等を使用し、調査期間内の対象媒体の投稿データを収集・分析

対象媒体
X

検索キーワード
・防災グッズ調査
(防災グッズ OR 防災リュック OR 防災バッグ OR 防災セット OR 避難グッズ OR 避難リュック OR 避難バッグ OR 避難セット OR 非常用持ち出し袋 OR 非常グッズ OR 非常リュック OR 非常バッグ OR 非常セット)

・推し活×防災グッズ調査
(コラボ OR 推し OR 公式) and (防災グッズ OR 防災リュック OR 防災バッグ OR 防災セット OR 避難グッズ OR 避難リュック OR 避難バッグ OR 避難セット OR 非常用持ち出し袋 OR 非常グッズ OR 非常リュック OR 非常バッグ OR 非常セット)

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