最近、企業に対するSNSの反応は、ますます重要なものになっています。タスケッターでは、XなどSNS上の投稿データを分析し、一般ユーザーの声を可視化する「SNS話題量調査」サービスを提供しています。
「競合他社と話題量の比較を行いたい」
「リリース公開後の反応はどうなっているだろう」
「新商品開発のために生活者のニッチなニーズが知りたい」
など、様々な課題に合わせて調査を行うことができます。
しかし、
「使ってみたいけどどうやって活用すればいいかイメージがわかない」
「依頼するのが面倒」
という方も多いのではないでしょうか。
そんな方にぜひおすすめしたいのが、SNS簡易レポートです。
キーワードを指定するだけで、基本的なフォーマットに従って、すぐに分析レポートをご提供できます。SNS上の動きで気になることがあればすぐに分析を手に入れられる手軽で便利なサービスです。
今回は、簡易レポートはどんなものか、どのように役立つのか、実際の企業事例をもとにご紹介いたします。
目次
2025年4月15日(火)に「よつ葉乳業」が、自社製品のバターに金属線が混入しているおそれがあるとして、およそ628万個を自主回収すると発表しました。本来であれば企業のイメージ低下が起きるはずですが、SNS上では「#頑張れよつ葉バター」などの励ます声が次々とあがり、自主回収の発表としては稀有な事態となりました。
自主回収発表後のSNSの反応を分析することは炎上対策に役立ちます。実際SNS上ではどのような動きがあったのでしょうか。簡易レポートを作成し、Xの投稿コメントを調査・分析しました。簡易レポートサービスを利用すると、キーワード指定だけでこんなデータ分析ができるのか、と感じていただければ幸いです。
こちらが「よつ葉バター」のキーワード指定で実施した簡易レポートです。調査期間は2025年4月13日 ~ 4月23日、投稿が盛り上がった1週間+前後2日としています。
簡易レポートでは「キーワード」と「調査期間」を指定するだけで分析レポートがすぐに手に入ります。
これらの指定もツールで投稿量を見ながら弊社から提案いたしますので、依頼前の面倒な準備などはまったくありません。レポートでは以下のような分析データを確認することができます。
●投稿件数・表示数の推移
投稿件数が期間内でいつ伸びたのか、いつ注目が集まったのかが確認できます。
●フォロワー数上位の投稿者
フォロワー数の多い投稿者を確認することで拡散の要因を理解することができます。
●コンテンツクラスタ―
どのような話題が盛り上がったのか、機械判定によってランキング化します。
●投稿タイプ
オリジナル投稿、リポスト投稿、引用投稿、リプライ投稿の割合が分かります。
●ポジネガ分析(機械判定)
ポジティブ・ネガティブの割合を機械判定します。
●上位の頻出キーワード
どのようなキーワードが話題になったか確認できます。
●上位ハッシュタグ
どのようなハッシュタグが話題を牽引したかが分かります。
●リポスト上位投稿
リポスト数の多い投稿をトップ5で確認できます。
さてそれでは「よつ葉バター」の簡易レポートについて詳しく分析を進めましょう。
回収を発表した4月15日、投稿数は少ないのに表示数が伸びています。「フォロワー数上位の投稿者」にメディア系のアカウントが並んでいるため、メディアによる投稿を多くの人が見たということが分かります。翌日16日から報道に一般ユーザーが反応し投稿件数が急上昇し、17日に最大となりました。
投稿タイプとしてはリポストの比率が多いようです。ハッシュタグ1位は「頑張れよつ葉バター」。ポジネガ判定ではポジティブの割合が高く、やはりよつ葉乳業への印象は下がっていないことがわかります。
リポスト上位の投稿を見てみましょう。
1位:商品愛用者が、自主回収における企業の誠実な対応に対して「応援する人はリツイート」と投稿
ハッシュタグランキング1位の「#頑張れよつ葉バター」も含まれています。誠実な企業姿勢に対して好感を持ち、企業を応援しようという投稿です。
2位:「たった1件の混入で全回収する必要はない」という投稿
実際は全回収ではなく、回収対象には制限があったため事実と異なりますが、よつ葉バターを買おうという声に共感が集まりました。対象商品の回収に疑問を感じ、日本企業を応援するためにむしろ対象商品を購入しようという投稿です。
3位:『日本企業を守れ』という要望が増えた、という政治家のコメント。
4、5位:「日本企業が外資に乗っ取られてしまう、よつ葉バターを購入して応援しよう」という投稿
日本企業を守ろうという呼びかけに関する投稿が連なっています。
このように実際の投稿を見ていくと、同じ企業を応援する声にもタイプの違いが見えてきます。
「#頑張れよつ葉バター」のハッシュタグによって拡散された、よつ葉乳業を応援する声には大きく二つの傾向があることが分かりました。
①企業製品を愛好する層や、誠実な対応に好感を持った層の反応
リポスト1位に見られるように企業を応援しようという呼びかけにとどまっており、回収対象商品を買おうという呼びかけまでは行っていません。
②回収への疑問や日本企業を守ろうという動機から「むしろ回収対象商品を購入しよう」と呼びかける声が議論を呼んだ
リポスト2位以降に見られ、物議を醸しています。ちなみに、リポスト6位以下にはよつ葉バターを今購入するのではなく、回収に応じつつ他の商品で応援すればいい、よつ葉は非上場企業のため外資の介入余地は低いなど、上位投稿に対する冷静な声も上がっていました。
簡易レポートを使うことで、ニュースで話題となっていたようなSNS事例でも、その実態をより詳細に分析することができます。もしご自身の会社の出来事だった場合、とるべき対策もより細やかに検討することができるでしょう。
簡易レポートは、キーワード指定をするだけで、すぐに分析を手に入れられる便利なサービスです。
今回ご紹介した事例のような炎上対策に役立つほか、
といったさまざまな用途で幅広く活用することができます。
手軽にSNS分析を活用してみたいとお考えの方にぴったりのサービスですので、SNS上の動きで気になることがあればお気軽にお問い合わせください。SNS上の一般ユーザーの声をつかみ、マーケティング・企画などにお役立ていただければ幸いです。